米連邦準備理事会(FRB)は6日、金融安定性に関する報告書を発表し、新型コロナウイルス禍からの景気回復に伴い投資意欲が高まる中、株式ブームやオンライン取引による個人投資家の台頭、ヘッジファンドの資金調達を巡る不透明性などを背景にリスクが増大しているという認識を示した。 株式などリスク資産は期待される収益や過去の水準と比べて高くなっていると指摘。価格の急落局面に対して「脆弱であるかもしれない」と警戒する。FRBは経済の正常化に向け、金融緩和を推し進める必要もあり、金融の安定性との両立は難しさを増している。

この半年では ソーシャルメディアに起因した株価の急激な変動 でゲームストップ株が乱高下したほか、ファミリーオフィス(個人資産の運用会社)のアルケゴス・キャピタル・マネジメントが大きな損失を出すといった騒動もあった。

こうした状況を生み出している一因は低金利の長期化だとも指摘した。金利が低いと、金融機関は収益を確保するには、よりリスクの高い資産に投資する必要がでてくる。金融政策の不確実性が低下すると資産価格の変動は小さくなりやすく、「借り入れによる投資の拡大につながる」と説明する。

FRBは物価安定や雇用の最大化とともに、金融システムの安定も重要な使命だ。この1年は物価や雇用を重視し、強力な緩和を続けてきたが、仮に金融システムの安定性が揺らぎ始めると緩和の継続も判断が難しくなる。